ファイナンシャル・プランナー(通称FP)は、個々のライフスタイル(収入、生活費、ローンなど)に合わせた、『家計の改善』や、『子供の進学・老後に向けた資金計画』などお金に関するアドバイスをする専門家です。
結婚や出産など人生の節目をきっかけに、ファイナンシャル・プランナーに相談する方が多いと思いますが、
- 「ファイナンシャルプランナーに相談するとどんないいことがあるの?」
- 「ファイナンシャルプランナーに相談する意味は?」
ファイナンシャルプランナーの実態があまりつかめておらず、相談するメリットや意味がわからない人は少なくありません。
ファイナンシャルプランナーに相談するメリットはズバリ『現在のお金事情を改善したり、将来のお金の計画の見通しを立てたりして、お金に関する不安を解消できること』でしょう。
本記事では、ファイナンシャル・プランナーへ無料相談できる内容や、無料相談と有料相談の違いを紹介します。
ファイナンシャルプランナーに相談するメリットと相談できる6つの内容
ファイナンシャルプランナーには一体どんな事が相談出来るのか、実はあまり詳しく知らない方も多いかもしれませんね。
ファイナンシャル・プランナーに無料で相談できる主な内容は、家計の改善方法と、最適な資金形成の方法です。家計の改善方法については、収支の内容を元にアドバイスがもらえ、資金形成については、将来、発生するかもしれない費用や税金のシミュレーションを元にアドバイスがもらえます。
ファイナンシャルプランナーに相談出来る内容としては、主に下記の6点があります。
家計収支の管理方法 | 家計簿から無駄な出費の洗い出し、効果的な節約方法など |
事故・病気のリスクに備える方法 | 家族構成や利用可能な公的制度を元に、病気や事故に遭った場合にかかる費用の算出や、それに備える方法など |
資金計画 | 子供の進学、老後の生活に備えた資金に備える方法 |
保険の見直し | 昇給やライフステージの変化(結婚・出産など)に応じた、最適な保険のプラン内容 |
節税対策 | 保険金の受取時に発生する税金を安くする方法 |
土地活用 | 住む予定がないため固定資産税だけがかかる不動産を活用する方法 |
【他】中小企業に向けた資金計画 | 設立当初の運用資金l 従業員の退職金l 事業承継における資金繰り など |
最も有名なのは「保険に関する相談」かもしれませんが、ライフプランに関わるのがファイナンシャルプランナーの仕事ですので、家計や教育資金などの相談にも応じる事ができます。
ただ、総じて「人生設計における資金計画」の相談が出来るという点が、全てに共通する事だと覚えておくと良いかもしれません。まずは、最も関心が高いであろう保険の相談内容からご紹介していきます。
保険の加入や見直しに関する相談
保険、特に生命保険は家計の支出にしめる割合が高く、しかも支出は長期にわたるので、人生設計において生命保険が家計に与えるインパクトが高いといえます。
また、人生にはさまざまな変化が訪れる事になります。生命保険について考えるときに、「ライフステージの変化」に合わせた、その時の最適な保険を選ぶ必要があります。
保険はもしものために備えて加入するものですので、それまで過ごしてきた生活に変化が生まれた場合(結婚・出産など)、家計から出ていく出費に加えて有事の際に必要なお金の額が変わってきます。
そのため状況に合わせて保険を見直すことが合理的ですし、保険料を節約することにつながるのです。
それまでと同じ保険に入り続けるのか、見直しをした方が良いのかなど、あなたの家計の状況やライフプランからもっとも適切な保険を選ぶためにも、ファイナンシャルプランナーへの相談が有効です。
ファイナンシャルプランナーに相談することで、ライフプランニングによる人生リスクの見直しから、それに基づいた最適の保険の提示までしっかりと行ってくれるので安心です。
家計に関する相談
ファイナンシャルプランナーに相談出来るのは保険の問題だけではありません。たとえば、毎月の家計がギリギリで一向に貯金が貯まらないといったお悩みも相談することができます。
ファイナンシャルプランナーは「現状の問題点は何なのか」「上手は貯蓄の方法は何か」「目標実現のためにどうすればいいのか」といった点を具体的にアドバイスしてくれますので、どのようにすれば良いのかが見えてくることでしょう。
ライフプランの相談
ライフプランもお金に関する内容ではありますが、中でも誰しもが持っている理想の生き方や夢に対して、その生活を実現するにはどう行動していけば良いか、資金面でのプランを立てるといった意味で相談できるというものです。
たとえば以下のようなライフプランが想像できますね。
- 子供はできれば3人欲しい
- 一軒家を立てたい
- マンションを買いたい
- 老後はできるだけ楽な生活を送りたい
つまり、ライフプランとは将来の設計図を作るということです。現在、日本人の平均寿命は男女ともに80歳を超えているため、結婚、出産、住宅の購入といった様々なイベントもありますし叶えたい夢もあるでしょう。
あなたの夢や希望が資金面で実現可能か、問題があるとすればどう改善すればいいのか、ファイナンシャルプランナーが資金面でのアドバイスをしてくれるのです。
子どもの教育資金に関する相談
たとえばですが、「子供には不自由のない教育を受けさせたい」という願いは、親になった人間なら誰しもが考えることではないでしょうか。
しかし、日本の教育制度では高校や大学を卒業するまでに多くの費用が必要であることも事実です。文部科学省が発表している「子供の学習費調査(平成30年度)」によれば、おおよそ下記の費用がかかってくるとされています。
学習費総額 | 公 立 | 私 立 |
平 均 値 (円) |
平 均 値 (円) |
|
幼 稚 園 | 223,647 | 527,916 |
小 学 校 | 321,281 | 1,598,691 |
中 学 校 | 488,397 | 1,406,433 |
高 等 学 校 (全日制) | 457,380 | 969,911 |
参考:文部科学省|平成30年度子供の学習費調査の結果について
教育資金は「教育プラン」によって大きく変わりますが、自分の家庭の場合はどのように準備すればよいかを考える際、自分の家庭に合った方法を見つけることが、教育資金を上手に貯めるために大切なポイントになります。
一家の大黒柱が働けなくなった場合など、万一の事態に陥った場合でも、教育資金を用意できるように準備しておく事が望ましいとは言え、人生のリスクは考え出せばきりがありません。
教育資金はどれくらい用意すればいいのか、どう準備すればいいのかなど、教育プランや家計の状況を踏まえて計画的に準備する方法を考えるうえでもファイナンシャルプランナーへの相談は必要となってくるでしょう。
老後の資金に関する相談
定年をすぎて仕事を辞めてからが老後の生活のスタートだとした場合、収入がゼロになる不安ももちろんですが、健康への不安も年齢とともに高まっていくこととなります。
またあなた自身やあなたの配偶者が要介護者となった場合、経済的・身体的・心理的負担の問題も避けては通れない課題ですね。
安心して老後を迎えるためにも、出来るだけ早い段階から準備をすることが重要になってきます。令和元年の調査における『ゆとりある老後生活費』は月額で平均36.1万円とされています。
下記は同調査における『老後の最低日常生活費』の調査結果です。
それに対する厚生年金の収入は約14.6万円、国民年金の収入は5.1万円ですので、毎月約2万円程度の不足があることがわかります。
参考:厚生労働省|平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
さらに、公的年金の受給は男性の場合昭和36年4月2日以降生まれ、女性だと昭和41年4月2日以降生まれの人は65歳からとなっているため、60歳で退職した場合には公的年金が出るまでに5年間の無収入期間があります。
参考:内閣府|平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果(概要版)
年金制度が破綻する可能性も無視できない
また、年金制度に関しては今後破綻するかもしれないという事も言われているため、なにもせずに「普通の生活」を願うだけではもはや絶望と言って良いかもしれません。
年金が破綻する派の根拠
ここで年金制度の将来に関する意見を紹介していきます。
悲観的な見方、つまり年金が破綻するという意見はやはり多く聞かれます。その理由を拾い上げると次のようなものになるでしょう。
・政府の前提が甘すぎる。最悪のケースでも、過去10年の実績より甘い前提になっている。この前提では制度の抜本的改革も遅れ、年金制度は早晩破綻する。
・制度が維持されているとしても、生活に不十分な金額しか支給されていないとか、負担した保険料よりも受給額のほうが少ない状況になったとしたら、それは実質的には破綻している。
・年金の積立金はより現実的な条件で試算すると、政府の想定よりも早く枯渇する。
・日本の高齢化は類を見ないレベル。現在4人に1人が高齢者になっているが、世界のどこよりも高い高齢化率である。20年後には3人に1人になる。さらにそのスピードもヨーロッパでは何十年から100年という期間をかけて高齢化してきたのに比べ、日本では何倍も速い。2055年には、1.2人で1人の高齢者を支えなければならないというのは現実的ではない。
引用元:将来の公的年金の財政見通し
いずれにしても、まとまった金額を退職時に用意するには、今、あなたが何歳で定年退職まで何年あるのか、現在の貯蓄高、退職金があるかによって内容にも大きな差異生まれる事は間違いありません。
高齢化社会と言われて随分時が経ちましたが、不安が漠然としていれば不安は大きくなるものですので、老後のことは一度じっくりとファイナンシャルプランナーと一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
住宅ローンに関する相談
住宅は人生の中で最も高い買い物と言って良いでしょう。多くの方が住宅ローンを組んでいますが、ローンの返済は家計にとって大きな割合を占めています。
もし支払いの計画を見誤ってしまうと、長い期間に渡って家計が圧迫されることになりますので、マネープランは慎重に立てる必要があるでしょう。
そ長期間に渡って払い続ける住宅ローンなので、将来の家計を見据えたローンの組み方や控除などについて、ファイナンシャルプランナーと相談すべきといえます。
ファイナンシャルプランナーへよくある相談内容例
ファイナンシャルプランナーに相談する内容でよくある質問とは、一体どんなものなのでしょうか。具体的な例を以下にまとめました。
何を相談すれば良いか分からないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
相談事例1|家計見直し総合診断
相談内容 | 保険・住宅ローンの診断、収入・支出項目のアドバイス |
所要時間 | 約3時間 |
相談料金 | 3万5千円~|再診断料金は1万円~ |
参考: 体験相談とはひと味違う|本格的なFP相談をしてみよう
相談事例2|保険見直し相談
不足している保障を確保できるよう、加入中の保険を活かす見直しプランの提案。
相談内容 | 現保障の確認、必要保障額の算出などの見直しプラン |
所要時間 | 2時間〜3時間 |
相談料金 | 1万2千円~ |
参考: 体験相談とはひと味違う|本格的なFP相談をしてみよう
ファイナンシャルプランナーへの相談をおすすめする人の特徴
ファイナンシャルプランナーに相談するのが推奨される人の特徴についてお伝えします。
ライフプランの立て方や考え方を知りたい人
充実した人生を送るためには『現実性と計画性のあるライフプラン』が必要です。お金の運用という側面からライフプランの立て方や考え方を教えてくれます。
ライフプランを作成するためには以下の4つが大切と言われています。
- ①夢や理想を列挙する
- ②家計の収支を把握する
- ③資産や負債などの財産事情を把握する
- ④保険への加入または見直しをする
上記のことを素人が行おうとすると、手間がかかることはもちろん難しいため、最善のプランを導き出すまでには至らない可能性があります。ですが、そこでファイナンシャルプランナーに相談することによって、現実性と計画性のあるライフプランの立て方や考え方がわかるようになります。
家計の収支を改善したい人
貯蓄が増えない、または、どうしても支出が減らないなどの悩みを持っている人は相談をしましょう。
一般的な家庭の収入は昇進しない限り毎月ほとんど同額ですよね。そのため、収入部分は変化をしないので、収支を改善する際には支出を減らす方法に注目します。
そのような場合には、家計を固定費や変動費などに分類する、また、保険を見直すなどして、お金のプロであるファイナンシャルプランナーが支出を減らすためのアドバイスをしてくれます。
教育資金に頭を悩ませている人
教育にかかる多額の費用をどう用意するかが知りたい人も、ファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。
教育には多額な費用が掛かるため、家計をやりくりしてその費用を作る必要がありますが、保険の見直しや学資保険の利用、資産運用などさまざまな観点から、教育資金をつくるためのアドバイスをくれるでしょう。
ファイナンシャルプランナーの相談料の相場は?
ファイナンシャルプランナー(FP)への相談には無料相談と有料相談の2種類があります。無料相談と有料相談でどう違うのかという話になりますが、まずは相談料の相場から確認していきましょう。
もしファイナンシャルプランナーに有料で相談する場合、FPは限りなく個人事業主に近い存在のため、個人で独自に相談料を設定しているケースが一般的です。
日本FP協会が調査したファイナンシャルプランナー1時間あたりの相談料を見てみると、『5,000円~10,000円』との回答が最大でした。
ついで『10,000円~20,000円』『5,000円未満』が多いようです。
(引用:FPの相談料金|日本FP協会)
ちなみに、ファイナンシャルプランナーによっては無料で相談にのってくれる人もいます。「相談するならば無料の方がよい」と考える人もいるかもしれませんが、無料には無料であるだけの理由がありますので、そこを十分に押さえておきましょう。
FPへの相談が無料の場合と有料の場合の違い|両者のメリット・デメリットは?
ファイナンシャルプランナーへの相談は無料の場合と有料の場合があります。では、無料相談と有料相談ではどのような違いがあるのでしょうか。
無料相談の場合|メリット・デメリット
相談が無料のファイナンシャルプランナーは、基本的に保険の相談窓口にいることが多く、勧誘ありきだと思って良いでしょう。なぜなら、相談無料のファイナンシャルプランナーの利益は、各保険会社からもらう仲介手数料だからです。有料相談のファイナンシャルプランナーよりも勧誘される可能性が高いと言えます。
ただ、実際に保険などの見直しを考えている場合であれば、無料で相談できるうえに保険料が安く抑えられたり、保障を充実させたりとても魅力的なものです。
また、取り扱っている商品が「保険」とはっきりしているので、どのファイナンシャルプランナーに当たっても契約内容に大きな差はないということも魅力の一つです。
無料相談のメリットとデメリット
上記でも軽く触れましたが、無料相談に乗ってくれるファイナンシャルプランナーもボランティアでやってくれる訳ではありません。
そのため無料相談に乗る代わりに相談者に生命保険への勧誘を勧めてくることが多いので、余計な保険に加入するかもしれないというデメリットがあります。
しかし、相談者からしてみれば、ファイナンシャルプランナーから直接契約できた方が信頼できるという安心感を得られるなどのメリットは大きいでしょう。
ファイナンシャルプランナーも人を騙そうとして仕事をしている訳ではありませんし、専門知識を持った立派なプロですので、ライフプランに見合った保険の紹介はきちんとしてくれるという点は、無料も有料も変わりません。
有料相談の場合|メリット・デメリット
一方、有料のファイナンシャルプランナーは無料相談ではできない様々な相談をすることができますが、お金に困っている場合は支出を考えると厳しいかもしれません。
有料相談のファイナンシャル・プランナーに相談した場合、大体『数千円~1万円』の相談料がかかりますが、有料相談のファイナンシャル・プランナーは、営業ノルマがないため、過度なセールストークがありません。
いらない商品を勧められることがないため、保険や投資信託に限らず、客観的なアドバイスをもらうことができます。相談料以上にお金の節約と保険に対する意識が高く持てるようになりますので、勉強代を払うと思えば、一度検討してみても決して損はないでしょう。
有料相談のメリットとデメリット
有料相談に設定しているファイナンシャルプランナーは、保険の仲介をしているという点では無料相談窓口にいる方と変わりませんが、基本的には相談者からの相談料を収入減としているので、その分より幅広く深い相談が出来るというメリットがあります。
また、有料相談の場合は生命保険に限らず、家計の状況や夫婦の収入の状況を踏まえた上で、保険以外の面からのアプローチ方法を教えてくれますし、自分で調べても絶対に分からない知識を教えてもらうことができる可能性は高いといえます。
デメリットはお金がかかる点ですが、相談することで賢い節約の方法がわかりますので、やはり勉強代だと思えば損にはならないですね。
無料相談と有料相談のどちらを選ぶべき?
以上のことを踏まえると、以下の項目に該当する方は無料相談が適しています。
- 相談料をかけたくない
- ある程度、相談内容に具体性がある方
反対に、公正中立な視点からのアドバイスが欲しい場合は、有料相談を検討しましょう。
有料相談が適している方
- 自身に最適な資産運用の方法がわからない
- 公正中立の(利害関係のない)立場のアドバイスを求めている
- 営業トークをされたくない
- 相談料を負担に感じない
ファイナンシャルプランナーへの相談窓口と各窓口の特徴
ファイナンシャル・プランナーへの無料相談は、主に銀行、証券会社、不動産会社、保険会社の相談窓口で受け付けていますが、窓口によって相談できる内容が異なります。
銀行の相談窓口
銀行の相談窓口では、ファイナンシャル・プランナーへ住宅ローンや資産運用の相談ができます。銀行では主に、
- 円または外貨預金
- 投資信託
- 債券
- 株式
- 終身保険、年金保険
などの金融商品を取り扱っていますが、資産運用のプロフェッショナルが少なく、金融商品の種類が限られていることが難点です。リスクなく資産形成したい方は、銀行の相談窓口を利用するとよいでしょう。
証券会社の相談窓口
証券会社の相談窓口では、将来に向けた資金計画のアドバイスや、相続時のサポート(納税資金の工面、相続税の節税対策など)を受けることができます。
- 投資信託
- 債券
- 株式
- FX(為替取引)
- 円、外貨預金
- 終身保険、年金保険
など取り扱っている金融商品の数は多く、資産運用のプロへ相談できるところが特徴です。運用リスクがあるので、『大きなリターンを求めている方』や、『投資の知識がある程度ある方』以外には適さないでしょう。
不動産会社の相談窓口
不動産会社の相談窓口では、
- 予算、要望に合わせた住宅プラン
- 新居の購入から入居までの流れ
- 収入、生活費を元に住宅ローンのシミュレーション など
住宅関連のアドバイスやサポートを受けることができます。新居の購入や住宅ローンの見直しを検討している方には、不動産会社の相談窓口が適しています。
保険会社・保険代理店の相談窓口
保険会社や保険代理店の相談窓口では、
- 今後、どのようなリスクに備えるべきか
- 病気や死亡のリスクに備えて加入するべき保険の種類
- 子供の進学や老後に備えた資産運用方法
- 相談者に適した保険のプラン
などのアドバイスを受けることが可能です。
扱っている金融商品が保険商品に限定されるので、大幅な資産の増額は期待できません。『将来のリスクに備えたい』、『安全な方法で資産を形成したい』という方に適しています。
FP協会の相談窓口
FP協会の相談窓口では、『電話』または『対面式』で、ファイナンシャル・プランナーに相談できます。保険会社や銀行など組織に属したファイナンシャル・プランナーではないため、営業トーク抜きで幅広く相談に乗ってくれます。
しかし、時間が限られている上、担当者が引き継がれないため家計や資産形成の見直しの際に同じ担当者に相談することができません。
信頼出来るファイナンシャルプランナー6つの選び方
続いて、良いファイナンシャルプランナーの選び方についてご紹介していきます。有意義な相談にするための重要な項目となりますので、しっかり確認しておきましょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を持っていること
大前提ではありますが、FP(ファイナンシャルプランナー)の証である「CFP資格」と「AFP資格」を持っているファイナンシャルプランナーを選ぶようにしましょう。
ファイナンシャルプランナーは弁護士や税理士のように、「CFP資格」や「AFP資格」を持っていなければできない仕事ではありませんが、FPの資格を取得しているということは、ファイナンシャルプランニングの知識を持っているひとつの証となるものです。
CFP資格とは
世界24カ国・地域(平成28年3月現在)で認められた、世界水準のファイナンシャルプランニングサービスを提供できるプロであることを証明する上級資格の事です。国際CFP組織とFPSBとのライセンス契約の下に、日本では日本FP協会が認定を行っています。
AFP資格とは
国内で幅広く普及している、20年以上の歴史を持つFP資格。CFP資格と同様に、2年ごとの更新と所定の継続教育が義務付けられており、日本全国で約15万人(平成27年2月現在)の資格認定者がいます。
FPの得意分野は何かを確認しておく
ファイナンシャルプランニングには多くの領域がありますので、FPにも得意分野と不得手な分野があります。自分の相談内容にマッチした内容と専門的なFPに相談するようにしましょう。
FPの専門分野と扱う商品
分野/扱う商品 | 不動産投資 | 住宅ローン | 保険 | 家計 | 投資・運用 | 税金 | 相続 | 年金 |
確定申告 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
不動産経営 | ○ | ○ | ○ | |||||
不動産投資 | ○ | ○ | ○ | |||||
医療保険 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
住宅ローン | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
がん保険 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
保険見直し | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
損害保険 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
先物 | ○ | ○ | ○ | |||||
株 | ○ | ○ | ○ | |||||
為替 | ○ | ○ | ○ | |||||
個人年金 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
相続税 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
遺言 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
相談したい分野の相談経験が豊富であること
自分が相談したい分野の相談を多く受けている事も重要です。年間に何件の相談を受けているかも大切ですが、これまでのその分野の何年関わってきたのかを知るのがポイントです。
ご自身が相談したいジャンルについての相談実績があるファイナンシャルプランナーに相談するようにしましょう。
教科書通りの知識だけで経験がない人に、大事な将来の相談をしたくはなりませんよね…。素人目に見ると、教科書通りのことを言っているだけのファイナンシャルプランナーでも、なんとなく頼りがいがあるように思えてしまうもの。
そのため、きちんと過去の実績を調べて、相談したいジャンルの実績があることを確認してから相談するようにしましょう。
他分野の専門家との繋がりがあること
幅広いライフプランニングに対応するには、時には保険では対応しきれない事も多くあります。その時ファイナンシャルプランナーに相談する事で、他分野の専門家も一緒に紹介してくれることもあります。
ご自身が相談したいジャンルを得意としているファイナンシャルプランナーに相談するようにしましょう。
ファイナンシャルプランナーの専門はライフプランの立て方や家計収支の改善、教育資金の用意など多岐にわたっていますが、すべてのファイナンシャルプランナーが全ジャンルに同じように詳しいということではありません。
そのため、相談する場合は相談内容のジャンルを得意としているファイナンシャルプランナーに相談するようにしましょう。
営業色が強いFPは避けた方が良い
相談料金をいくらに設定するかはそのFPの自由ですが、相談料が高いFPなら保険の押し売りはしてこないかというと、決してそんなことはありません。
相談料を十万円以上にしていながら、保険の勧誘をしつこくしてくるFPもいます。
保険を売ってくるかこないかの見分け方ですが、そのファイナンシャルプランナーのホームページがあればその「勧誘方針」や「業務内容」を確認することをおすすめします。
勧誘方針」や「業務内容」のページに取扱保険会社の名前をずらっと並べているような場合は、保険の勧誘が激しい可能性が高いです。
肝心なのはあなたが信頼出来るかどうか
相談料が高くても安くても、あなたにとって最も大事なのは、そのファイナンシャルプランナーが信用できるかどうかです。
相談料がかかった場合でもせいぜい10,000円程度ですが、保険に加入した場合はこれから十数年にわたって保険料の支払いをしなくてはいけません。
困った時にアドバイスをくれるのか、ずっと担当は変わらないのか、もし担当が変わった際の対応はどうするのかなど、自分との関わり方に親身になってくれる方が、本当によいファイナンシャルプランナーだと言って良いでしょう。
ファイナンシャルプランナーに相談するベストタイミング
ファイナンシャルプランナーに保険や家計の見直しの相談をすべきタイミングは、ずばり人生で大きなイベントがあった時です。
具体的には以下の7つのタイミングが考えられます。
- 就職した時
- 結婚した時
- 子どもができた時
- マイホームを購入した時
- 離婚した時
- 相続対策をしたい時
- 定年退職した時
就職や結婚から定年退職した際まで、人生のさまざまな節目において保険や家計の見直しが必要といえますね。
ファイナンシャルプランナーに相談する際の流れ
次に、ファイナンシャルプランナーに相談する際の流れについて紹介していきます。
- ファイナンシャルプランナーを見つける
- 相談を申し込む
- 事前準備をする
事前準備は質問票などにご自身の要望などをまとめるのが一般的です。
1:FPを探す
まずはファイナンシャルプランナーを探すことからです。
インターネットなどで個人経営のファイナンシャルプランナーを探すこともできますが、保険についてまとめて紹介しているサイトから、個別のFPを紹介してもらう方法が手軽なうえに安心でおすすめです。
2:相談日時の決定
FPと相談する際の日時を決めます。事務所の場合は直接出向く事も出来ますし、自宅に招いて相談することもできます。
3:FPとお悩みの内容について話し合う
具値的に、何をどうしたいのか、どうなれば良いかをFPと一緒に考え、具体的にしていきます。
相談時は以下のように進んでいきます。
- 希望を確認する
- 現状を把握する
- 分析し、評価する
- ファイナンシャルプランを作成する
- 実行に向けて動き出す
基本的には相談時に希望と現状を伝え、理想とのギャップを分析して、プランを作っていきます。そして、必要があれば保険の見直しなどの実行に向けて動いていきます。
4:FPによる分析と評価
FPが家計や保険の状況をチェックして、現状のムダ使いがないか、生活に無理がないか、あるいは保険が合っていないのかなどを総合的に検証していきます。
5:ライフプランの作成
ファイナンシャルプランナーとベストなライフプランを作っていきます。
改善策などを織り込んだプランがFPから提案がありますので、それを見て今後の判断に役立てることができます。
ファイナンシャルプランナーへ相談する際に心がけること
実際にファイナンシャルプランナーに相談する際に、その時間を有効なものとするために心がけるべきことについて紹介していきます。
相談する目的を明確にしておく
たとえば、漠然と「将来のことが不安です」というだけでは、FPから有益なアドバイスをもらうことは難しいです。
目的をハッキリさせるだけで時間がかかり予定時間が終了してしまうようなことになれば、相談料が有料の場合は特に無駄は大きくなってしまいます。
有効なアドバイスを得るには、ある程度は具体性を持った相談ができるように、メモなどで準備しておくことをおすすめします。
わからないことはその場で質問する
FPの説明を聞いているなかで、わからない点や疑問があれば、遠慮せずどんどん聞くことも重要です。
ご自身で理解が深まるだけでなく、FPとのやりとりの中から、もっと優れた違う方法が見つかるかもしれません。
FPに相談したあと個別に保険に加入するのは損が大きい
FPの基本は仲介業務ですが、本質はワンストップショッピング(一度の購入で全て揃うこと)です。
優秀なファイナンシャルプランナーであれば、複数の証券会社や保険会社と提携していますので、多くの商品の中から最良のものを選択できる体制があります。
そのためFPに相談した後はできるだけ同じ店舗で保険商品に加入する流れを取りましょう。
確かに、仲介手数料を目的に不要な商品を勧めるようなFPもまれに存在しますので、そのような場合は無視して帰ってしまってくださいね。
まとめ
ファイナンシャルプランナーに相談するにあたって気になる相談料の相場や有料相談、無料相談それぞれのメリットデメリットといったことから、ファイナンシャルプランナーの選び方や相談の流れといったことについてまで、全体的に紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
ファイナンシャルプランナーに相談すると、将来の見通しが立ちやすくなります。大切な将来のためにやるべきことが見えてくれば、不安を解消する糸口が見えてくるかもしれません。
無料相談を受け付けているファイナンシャルプランナーもいますので、まずはお気軽に相談してみてくださいね。
ファイナンシャルプランナーは、保険や家計の見直しの際に頼りになる存在です。
人生の節目などで保険や家計の見直しを検討している方はぜひ一度ファイナンシャルプランナーに相談してみてください。