ファイナンシャルプランナーの年収はいくら?相場や平均・転職で年収アップを狙う方法

銀行や証券会社、保険会社などの金融機関ではファイナンシャルプランナーとして働く人がいます。ファイナンシャルプランナーとはお金の専門家であり、専門知識を駆使して営業活動を行います。

ファイナンシャルプランナーの年収はどれくらいなのでしょうか?また、ファイナンシャルプランナーが転職で年収アップさせるためにはどのような方法があるのでしょうか?

ファイナンシャルプランナーの年収

まず、ファイナンシャルプランナーの年収はどれくらいなのか、厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況」を参考にご紹介します。

平均年収は438万円

ファイナンシャルプランナーだけの年収を発表しているデータはありませんが、厚生労働省が発表した金融業・保険業の年収データがあります。金融機関や保険業の中には窓口業務、法人営業やコーポレート業務を行う人もいるので参考程度にしていただきたいですが、こちらのデータによると

  • 年収の平均は全体で365.5千円/月
  • 男性が461.7千円/月
  • 女性が280.7千円/月

でしたので、年収換算にすると

  1. 全体:438.6万円
  2. 男性:554.04万円
  3. 女性:336.84万円 になります。

また、AFP・CFPの資格所有者が合計184,911名(2020年9月現在)いるうちの銀行で働く人は11%、証券業で働く人は20%、保険業で働く人は22%なので約98,000名が金融業・保険業で働いていることがわかります。

参考:日本FP協会

FP技能士に関しては1度取得すると一生更新が不要な資格なので現在何人が金融機関で活動しているのかはわかりません。引退したり独立したりしている人もいるでしょう。

  • 2級FP技能士の資格所有者は2002年からの累計で日本FP協会は426,635名
  • 金融財政事情研究会は486,632名

です。

ただし、総務省の統計によると金融業・保険業の雇用者数は2019年5月の段階で172万人なので、ファイナンシャルプランナー資格を取得しながら金融業・保険業で働く人はファイナンシャルプランナー資格保有者の状況から見ると半数以下になるのではと予想できます。

ファイナンシャルプランナー資格保有者の方が企業から存在価値が認められると考えると、同じ金融業・保険業で働く人でもファイナンシャルプランナー資格を有していた方が平均より年収が数十万円高くなることが予想できます。

また、FP資格を所有していることにより手当が付く求人もあります。たとえば、FP2級で手当てが1万円、1級で3万円が付与される企業では同世代の平均年収よりも、約15万円〜40万円ほど高くなると予想できます。

参考:求人ボックス

そのため、ファイナンシャルプランナー全体の平均年収は400万円程度といえるでしょう。

年齢別でみた年収

金融・保険業界は一般的な企業に比べると定年が早い傾向になります。銀行の場合は役員になれるような優秀な人材以外は55歳で定年になり、その後は出向したり、役職を落として在籍したりするので年収は下がります。そのため、年収は50歳から54歳がピークです。

年齢別でみたFP年収

年齢別でみたFP年収(女)

業界別でみたファイナンシャルプランナーの年収

業界別でファイナンシャルプランナーの年収を紹介します。

銀行

銀行全体の平均年収は約641万円です。銀行には窓口業務を行う一般職も多く在籍しているので、ファイナンシャルプランナー資格保有者の年収はここから数十万上だと予想します。

証券会社

金融商品取引業・商品先物取引業の平均年収は約959万円です。証券会社の場合、ノルマ達成できるかでボーナスが大きく変わるので証券会社で働くファイナンシャルプランナーはやる気さえあれば1,000万円以上を手にすることも可能でしょう。

保険会社

保険会社で働く人の平均年収は約565万円です。保険会社にもコールセンターで働いたり事務作業を行ったりする一般職が多く働いているので、実際に営業活動を行うファイナンシャルプランナーの年収はこれより数十万上だと想像できます。また、外資系保険会社などに所属し歩合で働く場合には年収数千万円稼ぐ人もいます。

不動産

不動産業で働く人の平均年収は約611万円です。AFP・CFPの所有者割合では不動産業は6%と少ないことからファイナンシャルプランナーとして住宅ローンや税制のアドバイスができる人の市場価値は高いと予想します。そのため、不動産業界で働くファイナンシャルプランナーの年収は平均値より数十万高くなるでしょう。

参考:日本FP協会

ファイナンシャルプランナーの仕事内容

ファイナンシャルプランナーの仕事は顧客の収入・資産状況、ライフプランから適切な資産設計をアドバイスすることです。具体的には投資、保険、住宅ローンなどについてどんな方法が効果的か、いくら位金融商品を購入すればよいかなどを一緒に考えます。

ただし、企業に勤務するファイナンシャルプランナーの場合は、顧客のライフプランに合わせて自社の金融商品を販売することになります。たとえば、銀行であれば資産状況やリスク許容に合わせた投資信託を販売したり、生命保険会社であれば家族構成や収入にマッチした保険料の保険を販売したりといった形です。

ファイナンシャルプランナー資格の難易度

ファイナンシャルプランナー資格の難易度について紹介します。ファイナンシャル資格には国家資格であるFP技能士1級~3級とAFP・CFPという資格があります。

FP1級

FP技能士1級はFP技能士試験の中で最も難易度の高い資格で、受験者数自体もかなり減ります。FP技能士1級の試験は学科試験と実技ですが、2020年9月の学科の合格率は15.01%に留まります。学科試験合格者が実技を受験できるので、実技試験の合格率は86.34%ですが、学科試験に受かるのが非常に難しいといえるでしょう。そのため、転職市場ではFP1級技能士の資格を所有していると一目置かれる存在になるでしょう。

参考:一般社団法人 金融財政事情研究会

FP2級

転職市場で評価されるのはFP技能士2級以上です。FP技能士2級の試験は学科と実技が同時に行われます。2020年9月の試験では学科試験合格率が49.19%、実技試験(資産設計提案業務)合格率が57.37%でした。約半数の受験者が合格していることを鑑みると、勉強さえすれば取得は難しくない試験といえます。

参考:日本FP協会

FP3級

FP技能士3級は実務経験者以外でも取得できる資格です。2020年9月の試験の合格者は学科試験89.64%、実技試験88.04%でした。

参考:日本FP協会

CFP

CFP資格はFP技能士1級と同等レベルの資格です。取得するためには試験を受けるだけではなく講座を受講する必要があり、会員になるためには入会金や年間費の支払いが必要です。ただし、1度取得すれば更新の必要がないFP技能士に比べると情報がアップデートされ続けるCFPの方が信用力は高いといえるでしょう。

CFPの受験資格は下記で説明するAFP認定者か協会が認定した大学院で所定課程を修了した人です。

AFP

CFPと同じく、AFPとして登録するためには試験を受けるだけではなく講座を受講する必要があります。また、入会金や年間費の支払いも必要です。AFPの受験資格はFP2級技能士所有者でAFP認定研修を受講した人です。

フィナンシャルプランナーが年収をアップさせる方法

ファイナンシャルプランナーが年収アップさせる方法について紹介します。

所属する企業内で出世する

まず、一番手っ取り早いのは、自分が所属している企業内で出世・昇給を目指すことです。ほとんどの組織では出世すればそれまでの給与テーブルより年収アップするのではないでしょうか。企業によって年収の上限はあるでしょうが、出世できれば年収アップに期待できるでしょう。

より良い条件の企業へ転職

企業の給与テーブルや規模により年収の差が出るのは仕方がないことです。たとえば、年収500万円がマックスの企業で年収1,000万円を目指すのは大変難しいといえるのではないでしょうか。このような場合には、平均年収が高い企業に転職を目指すべきといえます。

副業する

副業解禁の波を受けて副業を解禁する企業も増えています。金融機関は顧客保護(情報漏洩)の観点から副業を禁止する企業がほとんどでしたが、みずほ銀行が副業を解禁しています。今後それにならい副業を許可する企業も増えるかもしれません。

ファイナンシャルプランナーは金融メディアへの記事寄稿、家計相談のコンサルティング、公演など副業もしやすいです。本業の年収が頭打ちになっていたり、独立を視野に入れていたりする場合は副業で稼ぐことを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

ファイナンシャルプランナーが転職で年収を増やすための方法

最後に、ファイナンシャルプランナーが転職で年収を増やすための方法について紹介します。

ハイクラス向けの転職エージェントを利用する

転職エージェントの中には「ハイクラス向け」に特化したところもあり、年収1,000万円以上などの非公開案件も有しています。このような転職エージェントに登録するためには審査が必要であったり、条件が合わなければ案件が回ってこなかったりするケースもありますが、今より好条件を目指すのであれば挑戦してみてはいかがでしょうか。

歩合の会社へ転職する

年収をとにかく増やしたい場合には保険会社や証券会社など歩合の会社へ転職するのも一つです。企業によって完全歩合、一部歩合など条件は異なりますが、自分の頑張りが年収に反映されるのでやりがいを感じることができるのではないでしょうか。歩合で働くファイナンシャルプランナーの中には年収数千万円を手にしている人も多々います。

ただし、一般的な金融機関にもノルマがありますがそれを達成できなくても年収が大きく下がることはありません。しかし、歩合の場合は自分が努力して営業しなければ年収が大きく下がることもあるので常に自分を奮い立たせる必要はあります。

また、経済状況や情勢によって相場が悪くなれば、顧客がリスクを避けて金融商品を購入してくれなくなるリスクもあるので注意が必要です。

このようなリスクを踏まえても、「稼げるだけ稼ぎたい」という熱意があるのであれば歩合の会社をおすすめします。

前職の実績で待遇を交渉する

前職で対外的にも認められるような実績があれば、それを踏まえて待遇の交渉をすることもできるでしょう。待遇の交渉は最終面接時に自分ですることもできますし、転職エージェントを利用しているのであれば転職エージェントに依頼することもできます。

ただし、交渉は駆け引きです。「年収を上げてでも欲しい人材」と思われれば交渉できるかもしれませんが、「年収を上げるくらいなら他の人を採用したい」と思われれば不採用となるでしょう。面接官の雰囲気を見ながら、どう出るべきか探ってください。

他の資格と合わせてアピール

ファイナンシャルプランナーの資格だけではなく、他の資格を取得していると希少価値が高い人材と判断される可能性が高いです。金融系の資格として重宝されるのは、簿記・宅建・中小企業診断士・税理士などです。もし時間に余裕があるのであれば転職活動前に他の資格取得をするのも良いでしょう。

やる気や熱意をアピール

ファイナンシャルプランナーは顧客のライフプランを考慮しつつ金融商品の営業で稼ぐ仕事です。たとえば銀行のファイナンシャルプランナーは投資信託を売りますし、生命保険会社のファイナンシャルプランナーは生命保険を売ります。そのため、営業に対する熱意をアピールすることが面接では大切です。

どんなに学歴が高く資格があったとしてもやる気が感じられなければ採用されないでしょう。一方で、経験が浅い、学歴・職歴がイマイチだったとしても「絶対に営業でトップになりたい」とアピールすればその熱意とポテンシャルで採用してくれる可能性があります。

特に、自分のレベルより高い企業に挑戦する時には、熱意をアピールすることを忘れないようにしてください。

FP経験を積んで独立も視野に

 歩合の会社に就職しない限り、会社員のファイナンシャルプランナーの年収は数百万円台です。また、歩合の会社は収入の増減が激しい割に、会社のルールに従わなくてはいけません。そのため、経験やスキルがあると自負しているのであれば、転職ではなく独立することを考えても良いかもしれません。軌道に乗るまでは収入は安定しないかもしれませんが、軌道に乗れば数千万円稼ぐことも不可能ではないからです。

独立系のファイナンシャルプランナーは家計相談や金融メディアへの寄稿、本の出版、テレビでの解説、公演などで活躍できるチャンスがあります。特に最近はホームページやSNSなどで上手くマーケティングを行えば集客しやすくなっているようです。

また、金融機関勤務の場合どうしてもノルマのために金融商品を進めなければいけない局面も出てきますが、独立系の場合は自分が本当におすすめしたい商品だけを紹介できます。会社員として勤務するよりやりがいを感じやすくなるというメリットもあります。

まとめ

ファイナンシャルプランナー資格を有していれば無資格の金融業・保険業より年収が数十万高くなります。ファイナンシャルプランナーが年収を上げるためには、所属企業で出世する、副業するという方法もありますが年収水準が高い企業へ転職するのが手っ取り早いです。

好条件で転職するには、ハイクラスの転職エージェントを利用する、歩合の会社へ転職する、ダブルライセンスを取得するなどがあります。また、転職活動では熱意を持ってアピールすることも忘れないでください。

少し難易度の高い企業でも熱意やポテンシャルで内定を出してくれる可能性があるかもしれません。

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